第8話 ポトリス1は金メダル維持だが2は
ポトリス1の方はあれだけできていなかったにもかかわらず、階級は金メダルのままである。というのも、ポトリス1は明らかに過疎化しており、ユーザーは完全にポトリス2の方に流れて行ったと言ってもいいものでした。ポトリス2は所詮ベータテストであり、正式サービス開始から本番のつもりで見ていた。
しかし、ポトリス2の方は思ったより早く階級が実装された事もあり、ただのベータテストではない雰囲気となっていた。それが明らかになるのはベータテスト終了の頃になろう。ただ、以前よりポトリス2の方もやり込み様になり、ようやく階級が金星に上がっていた。しかし、ランキングリセット前の様な無理やりなやり込みはなくなった。
ベータテストが始まって3ヶ月位経ってきたが、北アルプス主脈全山縦走の旅程約1ヶ月を含め、資金稼ぎの仕事も含めてかなりの期間ポトリスから離れてしまっていましたから。それだけに階級が上がらないのは仕方ないものである。更にこの縦走のための資金を稼ぐために働かなければならなかったし、本来であればもっと早く働き始めなければならなかった。今後もできるだけ早く職に就いて次の縦走いや将来に向けて資金を貯めなければならない。
自身にとってあの北アルプス主脈全山縦走をやり抜いたのですから、最早後悔はない。もう「今しかない」という気持ちであり、それを逃せばいつできるかわからないのですから。大学時代からずっと構想にあり、本来なら前年行っていた所でした。今後本格的に就職してしまえば、あの様な超長期的な縦走がしばらくできなくなる恐れもある。
まさにポトリスを取るかリアルを取るかであった。ポトリス2のベータテストが開始されてからもポトリス1の時の様に毎日全力でやり込むならば、北アルプス主脈全山縦走はなかったでしょう。縦走のためにも仕事のためにも、一旦ポトリスから距離を置く必要があった。